チコちゃんが「なぜ鳥は朝によく鳴くの?」というクイズを出した。正解は声が通りやすいから。立教大学の上田恵介名誉教授の解説。朝と昼で鳥の鳴き声を聞き比べると昼間より朝のほうが活発に鳴いていた。鳥たちは朝起きたときに「元気か?生きてるか?エサを取りに行くぞ」などコミュニケーションのために鳴く。普段は地鳴きという地味な声を出す。シジュウカラの地鳴きがこちら。警戒の鳴き声なので耳障りな感じがする。春先の繁殖期には大きな高い声でオスがさえずり始める。春先は朝の鳴き声がにぎやかになる。シジュウカラのさえずりがこちら。春のさえずりはオスが求愛や縄張りを守るために鳴く。虫の声が少なく風も少ない一番声が通る朝に鳴くのが効率がいいと本能的に知っている。夜も静かだがエネルギー温存のために寝ているため夜に活動するのは効率が悪いため夜明けとともに活動を始める。さらに音の特性が関係している。立命館大学の西浦敬信教授の解説。大気中の水分量によって音の届く距離が変化する。例えば水中で叫んでも声は外に聞こえづらい。これは水が音を吸収しているから。空気は温められると水蒸気を多く蓄える。逆に空気が冷えると水蒸気が減少し大気中の水分量は少ない。空気の温かい昼間は大気中の水分が多く音が吸収され遠くに届きづらく、気温が低い朝は大気中の水分量が少ないため音が遠くに届きやすい。鳥が朝に鳴くことは理にかなっている。朝と昼で音の届きやすさを庄司智春さんが検証した。広大な畑で1.2km先の丘まで100m間隔でスタッフを配置し声が聞こえたらパネルを上げて距離を計測。気温が低い朝、声が届いた距離は1.2km以上。朝より気温が12℃高い昼12時、声が届いた最高距離は800mだった。
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