日銀が国債の買い入れを減らす方針を決めるなど金融政策の正常化を進める中、財務省の有識者会議は国債の安定的な消化に向けて、今後の課題などをまとめた。この中では、日銀が発行済みの国債の半分を保有する一方、民間の銀行の保有割合は10年間で42%から13%まで低下しているとして、「今後国債を市場で安定的に消化するには、銀行の果たす役割が大きい」としている。このため「銀行による購入が多い償還期間が10年以下の国債の発行を増やすことや、市場の動向に応じて利率が変動するタイプの国債を発行することなどが考えられる」としている。ただ「日銀が買い入れを減らしていく中で、民間の銀行などがすべてを引き受けるのは難しい」という指摘もあり、財務省は市場の動向も踏まえて具体的な発行計画を検討するが、難しい対応を迫られることになりそう。