日銀はきのうまで開いた金融政策決定会合で、ことし3月のマイナス金利の解除に続く追加の利上げに踏み切り、政策金利を2008年12月以来の水準となる0.25%程度に引き上げることを決めた。追加利上げの決定を受けて大手銀行3行は、普通預金の金利を今の5倍の水準まで引き上げると発表したほか、住宅ローン金利や企業への貸し出し金利の上昇も想定された。上田総裁は会見で“追加利上げの景気への影響は限定的だ”という考えを示したうえで、物価変動の影響を差し引いた実質金利が依然として低い水準にあることを踏まえ、「経済物価の調整が私どもの見通しに沿って動いていく。引き続き金利を上げていくという考えている」と述べた。日本経済は長引くデフレの中、およそ30年にわたって低金利環境が続いてきたが、利上げを進めながら賃金と物価の好循環を実現することができるのか日銀は難しいかじ取りを迫られることになる。