経済部・坪井記者による解説。先物取引で円を売ろうという動きが買いを大きく上回る売り越しの状態が長く続いてきた。7月には過去最大規模の追い越しもあった。円安もこれと連動する形になっていたが、日銀の追加利上げ、米国の景気先行き不安というものが出てきて円の売り越しというものが急激に縮小し、13日、3年5か月ぶりに買い越しに転じた。専門家の間では巻き戻しという表現が使われ、円キャリートレード解消の動きというのが急速に強まったことが背景。円安が1か月あまりの間に10〜20円も円高方向に動いたので輸出企業の業績にマイナスになるという懸念が出て株価下落の1つの要因となった。円高が進むと円を借りていた投機筋は損出を抱えることになり、それを避けるために保有している日本株などを売り換金する動きが出たことも株価下落の一因。今後日米の金融政策がどうなるかによって円キャリートレードが再び活発化するか、あるいは巻き戻しがあるのかが左右される。