今月の金融政策決定会合で、追加利上げが行われるかどうか注目されている日銀について。金融政策の決定に関わる中村豊明審議委員は、追加の利上げに慎重な姿勢を示した。講演で中村委員は、国内の経済情勢について「一部に弱めの動きも見られるが、緩やかに回復している」という認識を示す一方で、賃上げの動向については「中小企業を中心に投資の回復が遅れているため、持続性に自信を持てていない」と述べたほか、節約志向の強まりも指摘した。その上で、中村委員は今後の金融政策について「多くのデータを確認し、経済の回復状況に応じて金融緩和度合いを慎重に調節していくことが重要な局面だ」と述べた。中村委員は、日銀がことし3月にマイナス金利を解除したときも、7月に追加の利上げを決めた際も反対票を投じていて、今回も慎重な姿勢を示す形となっている。