きょう午前10時16分、日経平均株価が終値の史上最高値3万8915円を34年ぶりに突破した。きっかけは、アメリカの半導体大手エヌビディアの決算だ。生成AI向けの半導体を製造していて、需要の急拡大で、売上高と最終利益がともに過去最高を記録した。市場の予想を上回ったことで、日本の半導体関連株が買われ、株価を押し上げた。午後には、取引時間中の最高値を更新し、初めて3万9000円台を突破した。史上最高値をつけた1989年、日本は空前の好景気だった。その後、バブルが崩壊し、失われた30年に突入した。四代証券の一角だった山一証券が破綻し、金融危機に陥り、北海道拓殖銀行など金融機関の破綻が相次いだ。株価は下落し、低迷が続いた。2008年には、アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻し、100年に1度の金融危機に拡大し、一時7000円を割り込んだ。第二次安倍政権のもとで、日本銀行の黒田総裁が就任し、異次元の金融緩和で円安が進み、株価を押し上げた。日経平均株価は、終値でも3万9000円を超えた。歴史的株高の一方で、日本経済は停滞し、国民生活への実感が伴っていないのが現状だ。