今朝の東京株式市場、取引開始直後の日経平均株価は一時900円以上値を下げた。ところが午前10時半過ぎ、平均株価の急反発に慌ただしさを増す証券会社のコールセンター。この直前、日銀の内田副総裁が講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と発言。日銀が追加の利上げを急がないとの安心感が市場に広がり、平均株価は一時1100円以上値上がりした。内田副総裁は午後の記者会見でも「不安定な状況がいつ解消するか分からないし、利上げについて慎重に考えるべき要素が生じた」などと述べた。連日の株価乱高下をめぐり沈静化を図ったともいえる内田副総裁のこうした発言に市場関係者は「利上げへの警戒感がとかれたことは大きい」と話している。結局、平均株価は昨日より400円以上高い3万5000円台で取引を終えた。一方、円相場は内田氏の発言を受け円安方向に反転し、現在は1ドル=147円となっている。