東京株式市場は取引開始直後から幅広い銘柄が買われ、日経平均株価は大きく上昇した。週明けの日本株が勢いづいた一つの理由がトランプ次期大統領が先週末の22日、投資家のスコットベッセント氏を財務長官に指名したこと。長年、ウォール街で活躍した金融のスペシャリスト。世界三大投資家の一人、ジョージソロス氏が率いるファンドで活躍しその後、自ら投資会社を創業している。マーケットや金融に精通するベッセント氏がトランプ氏に対して一定の歯止め役になるとの期待が出ている。マーケットでは財政規律を重視する人だと認識されている。そのため、債券市場では米国の長期金利が低下。日米の金利差が縮小するとの見方から外国為替市場では一時、円高ドル安が進んだ。一方でベッセント氏がトランプ氏の考えに同調しブレーキ役にならない可能性もあるという。着々と固まりつつあるトランプ次期政権への主要な閣僚人事。選挙活動に莫大な資金を提供した実業家のイーロンマスク氏は新たに発足する政府効率化省のトップに指名されている。このほか国務長官には対中強硬派のマルコルビオ氏。さらに通商産業政策を担う商務長官には高い関税を支持する投資銀行トップのハワードラトニック氏が指名されている。