福井県に住む前川彰司さん(60)は殺人罪で懲役7年の刑が確定した。だが前川さんは一貫して無実を訴え去年再審無罪が確定した。逮捕から38年がかかった。事件は1986年福井市で中学3年の女子生徒が包丁で刺され殺害された。物的証拠がないまま捜査は難航したが知人らの目撃証言が決め手とされ、当時21歳だった前川さんが逮捕された。服役後再審請求をし一度再審開始が認められた。ところがこの決定に検察が抗告、異議を申し立て高裁が再審開始を取り消した。2度目の再審請求では弁護団が検察にさらなる証拠開示を求めた。検察は拒否したが裁判所が強く促した結果、287点の新証拠が開示された。その中には目撃証言の信用性が揺らぐ証拠があった。別の事件で再審を訴える遺族からも今の再審の在り方は理不尽だとの声があがった。阪原弘次さん(65)は38年間、父・弘さんの無実を訴え続け、今年2月再審決定が確定した。事件は1984年酒店経営の女性が殺害され手提げ金庫が奪われたとされる「日野町事件」。強盗殺人容疑で逮捕されたのが店の常連客だった弘さんだった。決め手とされたのは「自白」で、虚偽の自白をさせられたと一貫して無実を主張したが2000年に無期懲役の判決が確定、弘さんは服役中に病死した。2度目の再審請求では自白の信用性を疑わせる証拠が複数見つかり、大津地裁が再審開始を決定した。弘次さんは「(最初の裁判から)証拠が全て開示されていたならば、父は有罪判決を受けなかったと思う」と話している。
