特攻は80年前、太平洋戦争終盤の1944年10月に始められた。最初に命じた司令官自ら統率の外道と言った作戦。その後、終戦当日まで10ヶ月にわたり続けられた。隊員たちの出撃が次々、報じられるなか国民の多くも彼らに続けと「一億特攻」を叫んだ。生きて帰れない作戦を後押しした日本人。心の内を探る試みが京都府の山間で行われていた。戦死した隊員を称えるため故郷で作られ歌われた曲を地元の声楽家が分析していた。かつて人々の希望だったという体当たり攻撃。特攻が行われた時代をどう理解したらよいのか。特攻を間近で目撃し生き残った元搭乗員に話を聞く。戦死した隊員のことも当時の資料から調べていった。400を超える故郷を訪ね遺族にも話を聞いた。戦死した隊員の本籍地を地図におとすと特攻が与えた衝撃の大きさが浮かび上がってきた。47全ての都道府県、加え当時の日本の統治下にあった樺太・台湾・朝鮮半島にも及んでいた。地図に隊員の経歴を合わせることで社会の様々なかいそうを巻き込んでいく過程もみえてきた。そして今年、特攻の長年の謎に迫る極秘文書も見つかった。志願するのか、しないのか過酷な問を突きつけられた2000を超える若者たち。特攻とは何だったのか、かつて日本が突き進んだ「一億特攻」への道をたどった。