最初の宝物は昭和の大スター・坂本九手作りのぐいのみ。1961年に放送が開始された音楽バラエティ番組「夢であいましょう」で黒柳と坂本九は共演を果たしている。「上を向いて歩こう」の大ヒットで知られる坂本と黒柳は姉弟のような関係で、坂本は黒柳を「てっこちゃん」と呼んで慕っていたという。テレビ黎明期に放送された「夢であいましょう」は生放送ということもあり、現代では考えられないようなハプニングも多かった。こうした苦労を共にしたこともあって、番組の共演者は皆仲が良かったと黒柳は語った。坂本は1971年に撮影所で出会った女優の柏木由紀子と結婚し、同年の紅白歌合戦には夫婦で出場。二人の娘に恵まれ、芸能活動をさらに増やすなど活躍していたが、1985年に日本航空123便墜落事故に巻き込まれ亡くなった。その知らせを受けた黒柳は柏木や坂本の娘を手紙や電話で励ましたという。ぐいのみはそのお礼として柏木が贈ったもので、生前の坂本が没頭していた手作りの笠間焼だという。