食品を買うときに気になる賞味期限。どうやって決まるのかを取材した。神奈川・小田原市にある食品微生物センターでは、およそ1万の企業から賞味期限などを決めるための検査を依頼されている。専用の液体を混ぜ合わせ、食品を粉々にして抽出。食品微生物センター・山口憲太社長は「毎日検査した時に菌が徐々に増えていくイメージになる。ある一定のところまで行くと菌が増えて食べられない状態になる。その食べられなくなる日数を調べている」と述べた。賞味期限は現在、こうしたさまざまな検査によって出たおいしく安全に食べられる日数に「安全係数」という0.8以上の数字をかけ算して設定されている。今回消費者庁が固めた方針では、安全係数を食品に応じてより1に近づけることを求めている。最終的に賞味期限を決めるのはメーカー側だが、既に延長している企業も。明治は既にチョコレートなどの賞味期限を2か月延長していて、キユーピーやニチレイフーズでも一部商品で賞味期限延長を発表している。延長に踏み込んだ理由について、有識者検討会メンバー・小林富雄日本女子大学教授は「これまでは消費者に渡るまで何があるかわからないということから、過剰に短くしてしまう。世界でも場合によっては賞味期限をなくして消費期限に一本化する国も出てきているので、日本もそういう流れにあわせたということ」と述べた。過剰に短いとされた賞味期限は変わっていくのか。消費者庁は、延長などを盛り込んだガイドラインを3月末に公表する予定。