群馬県南牧村の最も奥にある星尾集落は江戸中期からコンニャク芋の栽培で栄えてきたが、現在は人口11人の小さな集落。6年前にオープンした「星尾温泉 木の葉石の湯」は築200年以上の古民家をリノベーション。ご主人・小保方努さんは東京から移住してこの宿を始めた。庭があった場所に男女別の内湯を増設した。お湯は濃い茶色。泉質はナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉。源泉は15℃ほど、薪をくべて41℃ほどに温めている。小保方さんが山の上で湧いている源泉を見せてくれた。地元では昔から「塩水」と呼ばれてきた。鉄分を多く含み、辺りはオレンジ色に染まっていた。かつて村に1つだけあった共同浴場は地域の憩いの場だったが、戦後まもなく閉鎖されてしまった。小保方さんたち有志が2018年に日帰り入浴を復活させ、3年前から宿泊もできるようになった。蘇った温泉を求め、村を離れた人々も訪れるようになったという。