きょうのニュースは「医師の偏り問題が深刻 “直美”とは?」。現在、厚生労働省で議論が進められているのが医師の数。特定の地域、診療科に偏っていることが議題に挙げられている。診療科別・医師数増加率の推移を紹介。2008年との比較で小児科、産婦人科、内科はほぼ横ばいだが、外科は減少傾向にある。一方で美容外科は元々医者の数が少ないといった背景はあるが、約3倍に増えている。その一因となっているのが“直美”。これは直接・美容外科の略語で、それぞれの頭文字を取って“直美”。医者になるためには国家試験をパスした後、2年以上の臨床研修が義務付けられている。その中で多くの医者はさらに専門性が高い専門医という資格を取得するために、専門研修というものを3年~5年受けることができる。しかし、“直美”は臨床研修が終わったら、すぐに美容外科に就職をする。これを“直美”と言う。なぜ直接、美容外科に進むのかについて、医療業界に詳しいジャーナリスト・星良孝さんによると、収入面と労働環境面で待遇がいいという。収入面では病院に勤務する医師の平均年収が約1500万円。臨床研修後、専門研修を受けると約600万円になるという。一方、美容外科クリニックの求人の多くが年収2000万円~。労働環境では外科などは時間外労働や休日労働が他と比べて多い傾向にある。厚生労働省のアンケートを見ると、外科を選択しなかった理由で最も多かった回答が「ワーク・ライフ・バランスの確保が難しいから」。美容外科の求人を見ると、緊急対応なし・当直なしということで、美容外科の方が魅力的に見える。星良孝さんによると、早期にこうした好待遇を受けられるように研修後に美容外科に進む“直美”の若手が増えているという。“直美”の課題は皮膚の腫れ、やけどなどの問題が起きた際、対処するための専門的な経験が不足していること。最近の美容医療トラブル増加の一因になっているという。また、美容外科に偏ると、他の診療科が人手不足になるので、地方では患者が十分な医療を受けられない事態が発生し得る。厚生労働省は医師の偏りについて、年末までに対策をまとめる方針。ここでNEWS検定、問題は「医師の数が2番目に多いのは何科?」。選択肢:青「整形外科」、赤「皮膚科」、緑「眼科」。