都内で1人暮らししている50代女性はおととし夫をがんで亡くし近くに親戚もいなかったため、孤独感から気持ちの落ち込みがひどく精神科にも通ったが症状は悪化した。コロナ禍で人と接する機会が減ったことも追い打ちになり一人で抱え込む日が続いた。女性はいま川崎市にある「暮らしの保健室」に通っている。医師や看護師など全員が専門職で、1回400円で体の不調など様々な話をすることができる。代表の西さんは緩和ケアの医師として病院で勤務する傍ら、仲間とこの取り組みを始めた。運営費は寄付や会費などでまかなっている。西さんは病院で人間関係のつながりを絶たれると生きる力を失ってしまう患者の姿を目の当たりにしてきた。まず訪れる人の話を聞いて孤独などの問題に目をむける。必要であればサークル活動などその人にあったつながりを作って回復を目指す。「社会的処方」と呼ばれ、いま注目されている。女性にはグリーフケアの集まりを勧めた。