サバがマグロを産む、代理親魚技法について専門家・濱田先生が解説した。絶滅危惧種の保護にも繋がる、代理親魚技法だが注目されるきっかけとなったのは意外なニュースだったと言う。それは2010年、クニマスは鮭科の淡水魚で元々秋田県田沢湖に生息していたが、1940年に絶滅したとされていた。しかし、さかなクンが山梨県西湖から取り寄せた魚を調べると、クニマスと判明した。70年ぶりにその姿が確認され、世紀の大発見となった。そして2016年には、山梨県の水産技術センターによってクニマスの繁殖に成功。この時に使われた技術が、代理親魚技法だった。近い将来、サバが産んだマグロが実用化される見込み。するとスーパーに並ぶ魚も安くなるという、サバからマグロを生み出すことができればエサ代を削減できる上、養殖スペースも海の大規模ないけすから陸上の小型水槽へと縮小できる。大幅なコスト削減で、高級マグロを安くスーパーに並べることも夢ではない。更に代理親魚技法の最大のメリットは、おいしさ。油のノッたおいしい個体から細胞を移植し、おいしい魚が産まれるとのこと。代理親魚技法が普及すれば、おいしい個体の血統を増やせるためトロが赤身程度の値段になる日も来るかもしれないという。