木下美穂里さんが世界に誇る日本のネイルについて話す。木下さんの母はメイクアップアーティストの木下ユミ先生。ユミ先生は70年に渡って放送、広告、ファッションの世界に多くの足跡を残した。ネイルの始まりは古代エジプトの化粧法の一つとして行われるようになったものと言われている。その後、古代ギリシャ・ローマ文明では、生活文化として「マヌスキュア」が生まれ、各地へと波及。ルネッサンスになると舞台芸術の発展が大きな影響を及ぼし、 俳優が舞台で演じる際の表現の演出として求められた。19世紀には専門職としての「マニキュアリスト」が登場。20世紀には「ネイルラッカー」が登場、「マニキュア」と呼ばれる化粧品群が始まった。1970年代にハリウッドの映画業界で用いられた素材や技術がネイルを飛躍的に進化させた。1986年に日本でネイリスト協会が設立された。
木下さんは協会設立のアシストを行うために教育委員に就任。日本市場に合わせたネイルの構築に取り組み、作成したテキストをもとに日本中で講習を行った。日本のネイルはサービス業としての施術であり、日式と呼ばれ世界中から注目を集めている。2000年、木下ユミ先生の活動50周年を記念して記念コンテストを始め、このコンテストを通じて多くのアーティストを世に送り出した。ネイルは年齢やジェンダーに関係なく多くの人々の癒やしになり、介護やスポーツなど様々な場面に広がっている。