木原防衛大臣はきのう、韓国・シンウォンシク国防相とシンガポールで会談。2018年に海上自衛隊の哨戒機が、韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーを照射された問題を巡って、海上自衛隊と韓国海軍が取りまとめた再発防止策を確認した。その上で、この問題以降途絶えていた自衛隊と韓国軍のハイレベルの交流などを再開することで一致したが、韓国側が認めていない照射の事実関係については触れないままとなった。自民党内からは、「事実関係を突き詰めておかないと、政治状況によってまた関係が不安定になるのではないか」といった声も出ていて、防衛省は北朝鮮への対応などのため、防衛当局間の交流を通じて連携を強化していく必要性について理解を求めていくことにしている。海上自衛隊の幹部の1人は、安全保障環境が厳しくなる中「日韓の防衛上の協力は不可欠であり、未来志向で連携を深めることは周辺国に対する抑止力にもつながると思う」と話している。別の幹部は、防衛交流を進めるといっても「事実関係が整理されない中では、感情的には元どおりにとはならないため、訓練をする際に、現場の隊員としては心理的なしこりが残るのではないか」と話している。