ユニチカは「キャンペーンモデル」を日本で初採用し、ブランドイメージを高めてきた。風吹ジュン以降も紺野美沙子や本上まなみなど数々の有名俳優を排出し、芸能界の登竜門としても注目を集めた。ユニチカは年間売り上げ1200億円の4割にあたる事業から撤退することを表明した。理由は円安や原材料の高騰の影響。繊維事業の営業利益は2021年3月期から4期連続の赤字で、今季もマイナス10億円を見込んでいる。今季の連結最終損益は103億円の赤字となる見通しで、再建に向けて官民ファンドや銀行に債権の放棄を含め、870億円以上の金融支援を求める。ユニチカは1889年創業後、大日本紡績となってからは鐘淵紡績、東洋紡績と並び三大紡績と呼ばれた。他社はその後、多角的に事業を展開し、カネボウは2004年に繊維事業の不振などで破綻するが、日用品や薬品などで復活。東洋紡は衣料品が主力事業になった。ユニチカは今後、食品包装用フィルムなどに経営資源を集中させる方針。社長ら全取締役は来年4月に退陣する方針。