広島に原爆が投下されて今年で80年。原爆で家族4人を失った男性はこれまで原爆当日に会ったことを話さずに来ていたが、最近公の場で証言するようになった。17歳の時に広島駅近くで被爆したという現在96歳の男性・本谷量治さん。家族を失った後「なんで自分だけ生きたのかなと思った。みんなと一緒に死んでたら楽やないかと思うこともあった」と話した本谷さん。被爆後大阪に移住して就職したが、周囲に原爆体験を話すことはなかった。本谷さんは「自分のことを話すのはいいが、親や兄弟の話をすると頭の中がごちゃごちゃとなってきた」と話していた。関西で出会い、長年連れ添っていた妻が亡くなった後、本谷さんは地元・広島に帰ってきた。そして原爆関連の展示会に参加した際、自ら被爆者と明かしたのだという。本谷さんは「世の中のためにまだすることがあると思っている。それで生きさせてもらっているんだ」と話していた。