石川・金沢市。国内最後の強化試合を控えるなでしこジャパン。注目したのはイングランドのマンチェスターシティで活躍する長谷川唯。彼女にはパリオリンピックに懸ける特別な思いがあった。オリンピックの舞台が憧れから具体的な目標に変わったのは15歳の夏。このとき、なでしこジャパンは最高成績となる銀メダルを獲得した。3年前、長谷川は東京で初のオリンピックを戦うが準々決勝で敗退。その悔しさを胸に2022年イングランドの強豪マンチェスターシティに移籍。そこで磨いたのはボール奪取力。加入1年目でボール奪取数リーグ2位の成績を残すと今シーズンは英国紙が選ぶリーグ年間ベストイレブンに選出された。今年2月パリオリンピックのアジア最終予選、武器であるボール奪取力で北朝鮮の猛攻をしのぐ長谷川、負ければオリンピックを逃す試合で存在感を見せ2大会連続で夢舞台への切符をつかんだ。そして、今回の代表メンバーは10人がオリンピック初出場。チームの顔触れが大きく変わる中で長谷川にも変化が生まれる。ワールドカップで得点王に輝いた宮澤ひなたなど若き逸材がそろい。長谷川自身が憧れを抱いたロンドンオリンピック以来となる12年ぶりのメダル獲得を目指す。