今週、パリパラリンピックが開幕する。ゴールボールは、視覚に障がいがある人が対象。選手を同じ条件にするため、アイシェードと呼ばれるゴーグルをつける。3人対3人で24分間ボールを投げ合い、ゴールの数を競う。コートの広さはバレーボールと同じ。男子の日本代表は去年、国際大会で世界一となり、パリ大会の出場権を獲得。ゴールボール・宮食行次選手は前回の東京パラリンピックでは、チームトップの13得点。5位入賞に導いた。宮食選手は視覚障がいの一つ、網膜色素変性症により、弱視の状態。進行性の病のため、いつか見えなくなる可能性も。夜は白じょうを使って生活している。ボールの大きさはバスケットボールとほぼ同じだが、重さはおよそ2倍の1.25キロ。中には鈴が2つ。この音を頼りに、目隠しした状態でボールが動く方向を予測する。特に守備では、ボールの位置を音で正確に把握することが重要。相手にボールの位置を分かりにくくさせる、消音のボールが宮食選手の大きな武器。投げる技術は、小学生から始めた野球で磨いてきた。ところが、プロ野球選手への夢を描いていた小学5年生のとき、視覚に障がいが。しばらくは障がいを受け入れることができず、友人にも隠していた。そうした中、出会ったのが、ゴールボールだった。22歳で本格的に競技を始めると、僅か1年半で日本代表に選ばれ、アジアパシフィック選手権で3位に。2年後の東京パラリンピックでは、メダルに手が届かなかった。パリへ向け、レベルアップするため取り組んだのが、体力の強化。周りのスタッフや応援してくれる人たちのために、今度こそ恩返しを。「金メダルをとるという強い気持ちを持って、頑張りたいなと思う」とコメント。