重要文化財の樫鳥糸肩赤威胴丸をあらゆる角度から撮影し、高精細画像を合成した8K文化財を制作した。甲冑は兜、大袖、胴丸という3つに分けられる。顔の横で折り返している吹返は、刀や矢が当たらないよう大きく張り出しており、絵が描かれることが多い。樫鳥糸肩赤威胴丸の吹返に描かれる獅子と牡丹は富や高貴の象徴で、蝶は不労・不滅の象徴。紐は機能性を持ちながら個性を表現している部分で、数種類の組紐を使い分けることにスゴ技が隠されている。胴丸を締める表面が平らな組紐には亀甲組という組み方の紐が使われ、多彩な色の糸を重ねて丈夫に組まれている。背中を結ぶ丸い組紐の大きな結び目は総角と言われ、武士たちの団結の象徴。ここに使われている唐打ちという組み方は、ねじれにくく柔らかい。紐に用いられるのは絹糸で、丈夫で軽い性質を生かしている。紐の間に見える小札板は、短冊状の板を紐で結んでいる。材質は牛革と鉄で、全身で3817枚使われている。甲冑のスゴ技は、場所に応じて様々な組紐を使ったことだった。紐の色には武将の個性が表される。色々糸威腹巻の赤は生命の源を、白は動じない強靭な意志を表す。黒韋肩白威胴丸の藍色は魔除けの意味を持つ。樫鳥糸肩赤威胴丸の樫鳥糸は、紺に赤の色を混ぜた紐。
住所: 東京都台東区上野公園13-9
URL: http://www.tnm.jp/
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