群馬県の草津白根山にある火口湖「湯釜」はエメラルドグリーンの湖面で知られる。この湯釜に続く登山道は火山活動が高まった15年前から立ち入り禁止となっている。その湯釜のある白根山は長野県との県境に近く周辺には温泉も多い地域。地元の草津町は火山活動が比較的落ち着いているなどとして監視員の同行などの条件付きで今月下旬から登山道を通行できるようにすることを決めた。湯釜に向かう中央登山道の条件付きでの通行を決める前に先月下旬、草津町の黒岩町長が参加して現場の確認が行われた。東京工業大学の寺田暁彦准教授は観測や研究を行っている。草津白根山には大学や気象庁の地震計20台以上が設置され国内有数の観測体制が敷かれている。湯釜がある白根山は噴火警戒レベルが現在、最も低い1で、ここ数年、火山活動が比較的落ち着いた状態が続いている。ただ注意しなくてはいけないのは水蒸気噴火。水蒸気噴火は熱せられた地下水などによって発生するため予測しづらく、直近ではおよそ40年前に起きている。仮に水蒸気噴火が発生した場合、どのように対処するのか。町は火山の専門家などと協議し状況を素早く把握して混乱せずにシェルターに避難するためにはガイドの監視員の同行が不可欠と判断した。監視員を育成するため寺田准教授が講師になって火山防災の研修を行った。水蒸気噴火が起きた場合、噴石が収まるまでの間、避難シェルターに逃げ込みいかに安全を確保するかが重要。また湯釜の展望台付近には1分以内で逃げ込める場所におよそ170人が入れるコンクリートのシェルターがある。展望台から登山道でない場所を下りると転倒する危険があるため登山道を引き返して避難シェルターに逃げるなどこうした避難経路も確認した。さらに登山客の前後に監視員を配置。異常があった場合は無線で連絡を取り合いすぐに引き返せるように体制を確認した。草津町は今月、湯釜の周辺で噴火が起きた想定で監視員が登山客を避難させる訓練も行い万全な体制を整えていくとしている。通行については草津町に予約が必要となっている。町は人数を限定して来月下旬までに10日通行できる日を設けて安全対策や需要などを検証するという。
住所: 東京都目黒区大岡山2-12--1
URL: http://www.titech.ac.jp/
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