劇症型溶血性レンサ球菌感染症の影響が拡大してしまっている。高齢者や糖尿病患者だけでなく、40代以上の人も警戒が必要なのだという。去年は過去最多の941人だったが、今年は現時点で891人であり、去年の2.8倍という規模で拡大してしまっている。溶連菌はボール状の菌が連なるような見た目が特徴で、子どもは咽頭炎につながり、無症状の場合もある一方で、劇症型となるのは大人が多いという。劇症型は発熱・悪寒から手足の激しい痛みになるのだといい、血圧低下や壊死につながっていく。発熱から48時間以内に多臓器不全で死亡してしまうこともあるという。溶連菌は手足の傷や手術をきっかけに侵入する事が多いが、感染経路不明の感染も存在しているのだといい飛沫感染によるものと見られ、東京都はマニュアルを改定して飛沫感染へ注意を呼びかけている。専門家の賀来満夫特任教授によると、感染対策が減少したことに加え海外から流行した「M1UK」株の影響もあるといい、M1UK株は感染力が強いだけでなく毒素が従来の9倍に登るのだという。劇症型の場合は傷口の周りの腫れなどが急激に広がることや、意識が朦朧とする・顔面が蒼白になるなどすることから警戒が必要となる。切開手術や抗菌薬で治療できるものの、できるだけ早く意思に相談することも必要となる。傷口を清潔にすることや、打撲した場合の炎症を警戒すること、基本的な感染対策が大切となる。溶連菌が劇症型する理由は詳しくわかっていないという。