先月追加の利上げに踏み切った日銀は金融政策を決めるメンバーの1人、内田副総裁がきょう函館市内で講演し「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べた。金融市場はこのところ株価が急落するなど不安定な動きになっていて、その要因の1つに日銀の植田総裁が先月の会見でさらに利上げを進める可能性に言及したことがあるという指摘が出ている。こうした中、内田副総裁はきょうの講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べた。そのうえで今後の金融政策については「最近の内外の金融資本市場の動きは極めて急激なので、極めて高い緊張感を持って注視する。当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要があると考えている」と述べた。記録的な株価の変動が続く東京株式市場。日銀の内田副総裁の講演での発言を受けて当面緩和的な金融環境が続くとの見方が広がって買い戻しの動きが強まり、株価は一時1100円以上値上がりした。現在は500円余りの値上がり3万5100円余りとなっている。一方、きょうの東京外国為替市場。日銀の内田副総裁の発言を受けて円を売る動きが急速に強まり、円相場は一時1ドル147円台まで値下がりした。