訪れたのは横浜市に広大なキャンパスを構える東京科学大学。今回の開拓者は東京科学大学・松下祥子准教授。松下は熱を電気に変える研究を行っている。地表の熱やエアコンの室外機、人の体温、室温すらも電気に。松下が開発したこの技術は20~80℃の熱で発電が可能。熱を使った発電と言えばマグマの熱を利用する地熱発電が有名だがそれには巨大な設備が必要。一方、松下の装置はわずか5センチ四方の板だけでどこでも発電できるのが特徴。材料は熱を電気に変える半導体とその対極となる部品、それに電気を通す役割の電解液のみ。生み出す電力を高めるため電解液の材料などを独自に研究、新たな発電のメカニズムを作り上げた。中学時代から環境問題に関心を持ち理系の道に進んだ松下は、東京大学工学部で化学を学び、その後も理化学研究所で物理などの知見を深めていった。そんな中人生を変えたのが東日本大震災。震災時、日本に優位な自然エネルギーは何かを考えたのがきっかけだったという。
