東大の授業料引き上げ検討。すでに7つの国立大学は引き上げている(東京工業大学、東京医科歯科大学、東京農工大学、一橋大学、政策研究大学院大学、千葉大学、東京藝術大学)。教育環境の充実などが理由。国立大学の授業料は、標準額は2005年以降、20年近くにわたって据え置かれてきた。一方の私立大学は年々上昇。昨年度の平均は95万円余。小林さんによると大学には危機感があるという。1つは少子化。18歳人口の減少が想定以上のスピードで進んでいる。そして、もう一つが国際競争力。世界の大学ランキング2024(英国・タイムズハイヤーエデュケーションを)見ると、上位は英国と米国の大学。このランキングは、教育研究の質、国際性などの指標をもとにした総合順位。日本でトップの東大も世界では29位。リクルート進学総研所長・小林浩さんの解説「今、世界では優秀な学生の獲得競争。日本の学生も世界を見て大学を選ぶように。まさに世界で見ると高等教育は成長マーケット。どのように国際競争を勝ち残るかは大学の大きな問題になっている。ただ、そのためには優秀な教員や質の高い教育環境が必要。それには、やはりお金が必要。お金がかかる教育をどう実現していくかとなったとき、物価上昇や光熱費高騰も影響があるという状況。一方、国からの交付金は厳しい国家財政を反映し、少しずつ減額されている」。