”多死社会”による火葬場不足が問題視されている。厚生労働省の人口動態統計では、全国の死亡数は1975年以降増加の傾向にあり、2025年に約159万人・2024年に160万人を超えて過去最多を記録している。こうした中、亡くなってから火葬するまでに時間がかかるという状況が、都市部を中心に発生している。加藤は3年前に母を亡くした際、亡くなってから火葬までに約2週間を要し、遺体が傷むのを防ぐ処置・エンバーミングに約20万円かかった他、亡くなった直後・少し後の火葬に合わせた葬式の時で2度死と向き合い、心の整理をつけるのが大変だったと話した。東京都によると、都内の火葬件数は年間約15万件あるとのこと。また、東京都保健医療局の調査では、都内における2024年度の「申し込み~火葬の平均日数」は1月の8.3日が最長で、冬~春にかけてこの日数が長い傾向にあった。そして都の試算では、2035年頃に火葬の需要と供給がひっ迫し、その後は火葬能力の不足が続く見通しが示されている。しかし、東京都内の火葬場は住宅地から概ね250m離れている必要があるため都市部での土地の確保が難しく、財源・人材の確保なども課題となっている。これに対し、担当者記者によると、今日の検討会による会議では、小規模な施設の新設・既存施設の増強などが提示されたとのこと。更に、全国の火葬場の約97%は公営だが、2024年度の東京都23区での火葬件数は公営の火葬場での火葬が約1万7000件なのに対し、民間の火葬場での火葬が約8万9000件と公営の5倍以上の件数になっている。この民間の火葬場の火葬件数の内1割余は埼玉県・千葉県などからの利用で、今後は需要の増加で都民の火葬に対応できなくなる可能性もあるそう。一方、この状況への対策も動き始めており、東京都の大田区・港区など5区が運営する臨海斎場では、火葬炉を新たに10基増築する計画が立てられており、2030年度の利用開始を目指している。また、今日の検討会による会議では今後、民間の火葬場の料金設定・自治体の経営への関わり方なども議論される見通し。この内、火葬場の料金について、都が行った調査による東京都の火葬料金は、公営の火葬場では「住民は無料又は2万円未満が約9割・23区では約4~6万円」なのに対し、民間の火葬場では「8万円以上が約7割」だった。加えて、東京都の火葬の実績は、23区では約8割が民営・多摩地域では約7割が公営(自治体が運営)となっている。これらを踏まえ、都は火葬料金について”公共性を踏まえた料金が望ましい”としており、都と23区の区長は必要な措置を講じるよう国に要望している。加藤は、金銭的な問題の他にも遺族の心の負担・大規模災害時の適切な対応などの問題があり、これは避けては通れない話だとした。検討会は、今年度中に方向性を取りまとめる方針。
