地球温暖化対策で航空業界でも脱炭素化を求められ、使用済みの食用油の活用が本格化しており、国内初の大規模製造施設を取材した。大阪・USJでは食用油を約189トンを使用しており、一部を去年11月から燃料に再利用し、年間約17トンのCO2削減につなげている。羽田空港で給油に使われていたのは使用済み食用油などを使用した「SAF」。これによりCO2排出量を約8割削減。2030年までに燃料の10%を「SAF」に置き換えるとしている。世界ではSAFの義務化が加速している。課題となるのが安定供給で確保できなければ国際便の減少の可能性がある。そこでSAFの国産化が重要となっている。堺市に国内初となるSAF量産設備が設置された。設備では飲食店等から使用済み食用油を回収し不純物を除去し年間3万キロリットルの製造が可能となった。3万キロリットルは東京からロンドンまで約350往復出来る量となっているという。しかし政府が目標にしている2030年までに全体の10%には不足していて、今後必要となるのが家庭から出る廃食用油が鍵になってくるという。