奈良県の十津川村。昭和35年に1万以上あった人口は現在2700になっている。そんな中、人口減少の危機を脱した集落がある。吊橋で有名な谷瀬地区、50年間減少せずほぼ横ばいを保っている。さらに10年前は子どもの数は0だったが、9人にまで増えた。どんな取り組みを行っているのか。地域の総代もつとめた坂口さんを取材。ゆっくり散歩道と書かれた案内地図。外から来た人に集落を楽しく歩いてもらう工夫。しかし、かつて谷瀬の住民は外からの人が吊橋を渡って立ち入ることを拒んでいたという。縁あって移住してきた人も、地域の寄り合いにも出られない決まりがあるほどの拒絶だった。その考えを変えることになった切実な理由があった。最大200近くあった人口が約50にまで減少。このままでは集落がなくなる。みんなで集まり移住者の積極的な受け入れを検討しだしたのが14年前のことだった。拒むから受け入れるまでの大転換。まずは訪れてもらうことが大事だと散歩道の整備に加え空き家だった古民家を1棟貸しの宿にした。吊橋が見える展望台も自分たちで作ったという。実は有名な谷瀬の吊橋は行政に頼らず自分たちの力で架けたもの。一致団結することで自分たちのことは自分たちでなんとかしてきた。その仲間意識が外の人たちを拒む気質を生んでしまった。しかし、方針を大きく変えたとしても一致団結するのが谷瀬の人たち、外から人を招く工夫をみんなで考えた。散歩道を楽しくするためクイズやかかしなどを手作りで設置した。ゆべしなどの特産品を作るなど村の外から人に来てもらうための試みに次々と取り組んでいる。その一つが奈良女子大学・生活環境学部の住環境学科の学生と協力しての特産品作り。若い世代のアイデアと力で集落に人を呼び込みたいと12年前から学生を谷瀬に招いている。手が足りないために活用できなかった。田んぼも学生たちの協力で復活。収穫した酒米から作った日本酒は地元の新たな名物になった。受け入れの取り組みを始めて以来移住者が6世帯増えた。そんな1人が角田華子さん。7年前に横浜から移住し、集落で唯一のカフェを開いた。谷瀬に惚れ込んだ角田さんが作る地元の作物を使ったメニューも好評。地区の外からも多くの人が訪れる場所となっている。外からの移住者が作った場がさらなる外からの人の呼び込みに繋がっている。
