物価高の影響は修学旅行先として人気の京都の旅館にも重くのしかかっている。修学旅行生を受け入れれば受け入れるほど赤字のピンチに悲鳴が上がっている。修学旅行シーズンの今一番人気の訪問先といえば京都。京都・旅館こうろは、年間の予約のうち半分が修学旅行生。旅館こうろ・北原茂樹会長は「2年も前に予約する人はほぼないので」と語った。修学旅行は宿泊先や新幹線などの交通機関を大幅に確保する必要があるため、約2年前から予約が入る仕組み。そのため経営の見通しが立ちやすいという利点がある。一方で手放しに喜べない状況も。それが想定外の物価高。予約時の2年前に修学旅行生1人当たりの単価を決めるため、直近の物価高分を宿泊料金に反映することができず、赤字の危機にひんしているという。旅館こうろの修学旅行生1人当たりの平均単価は9300円。ただ採算を取るためには2000円は単価を上げたいと話す。赤字を出さないために工夫も。北原会長は「修学旅行生の受け入れを続けていきたい」と話す。