東日本大震災で、地震・津波に加えて原発事故が重なる複合災害を初めて経験。医療現場は災害時の救急医療に加え、放射線への対応も迫られる。自らも被爆する恐れがある中で医療は崩壊の危機に立たされた。その結果、避難中の高齢者が病状を悪化させるなどし放射線以外の理由で亡くなる人が相次いだ。去年11月、四国電力伊方原発の周辺で約2万人が参加する大規模な訓練が行われた。年に1度、国が主催し原発が立地する地域から1箇所を選んで実施される。想定震度7の地震が発生、原子炉を冷やす機能が失われ放射性物質が放出されたという想定。原発から60km離れた病院は放射線の影響を受けにくく、原子力災害時には傷病者を受け入れることになっている。対応するのは専門の研修を受けた医師や看護師、放射線技師など。近隣の県から派遣されたチームと協力し約50人で分担。原発の作業員が腕を複雑骨折した想定。その場の判断で治療していき、さらに放射性物質が付着していないか測定機を使って探し出す。体内に吸収される恐れがあるため素早く除染しなければならない。これ以上下がらないとこまで除染し、しっかり覆えば応急処置が終わる。呼吸困難を起こしていた想定では、除染は後回しで救命措置が優先される。厳しくチェックするのは、広島大学の廣橋教授。各地で行われる訓練に赴き評価。熱心に指導する理由は、15年前の苦い経験にある。
