人工的に作られた有機フッ素化合物「PFAS」のうち、一部の物質は有害性が指摘されているが、各地の水道水からの検出が相次いでいる。国が初めて全国の「専用水道」を調査したところ、11の都府県の44か所で暫定目標値を超える値が検出された。このうち6か所は、自衛隊の基地など、国の施設。航空自衛隊芦屋基地では、目標値の30倍の値が検出された。自衛隊施設で検出された理由について、過去に使われたPFASを含む泡消火剤が土壌に残り、地下水として流れ出した可能性を指摘する専門家もいる。専用水道だけでなく、各地の上水道などでも検出が相次いできたPFAS。検査など、法的な義務づけはこれまでなかったが、環境省の専門家会議で水道法で定める水質基準とする方針が了承された。今後、自治体や水道事業者に定期的な水質検査の実施や、濃度が基準を超えた場合の改善が義務づけられることになる。