東海東京証券アメリカ・芝田達裕の解説。トランプ政権下でユニークな戦略をとろうとしている外国企業がある。芝田さんは「イタリアの上場企業プリズミアンは2005年に大手タイヤメーカー、ピレリからスピンアウトする形で設立され、脱炭素化の流れの中で、洋上風力発電所向けの需要を取り込んで業績を伸ばし、株価はこの3年間で2倍になった。昨年7月、米国の大手ワイヤーメーカー・エンコアワイヤーを買収したことをきっかけに米国国内での本格的な生産に乗り出し現在売上の約35%を米国が占めている。さらに、プリズミアンは米国での成長余地がまだ大きいとみて米国の株式市場への上場に向けて、本国イタリアと米国での二重上場を果たすための準備を進めている。事業と資本の両面で米国に地盤を築く戦略。米国第一主義を掲げるトランプ政権がこうした企業の動きに対してどのような態度を取るかが注目される。上場する国の経済にもプラス効果をもたらす。プリズミアンのように二重上場によってトランプ政権からの風当たりを弱めようとする外国企業は今後も増える可能性があると考えている」などと述べた。