和歌山県のポツンと一軒家を訪れ、主の安幸さんまさ代さん夫婦に話を聞いた。かつて斜面を開墾した段々畑で果樹を栽培し生計を立てていた。果樹農家は廃業し段々畑は森に返ったが、5年前から2キロ下の平らな土地に畑を借りて少量の野菜を栽培している。安幸さんは中学卒業後、東淀川の鉄工所で働いた。20歳からはずっと憧れていたトラック運転手になり、そこからは運送業一筋。まさ代さんは4人兄妹の末っ子で25歳の時にお見合い結婚。4人の子宝に恵まれた。11年前に長男が36歳で他界した。そのときは猛暑で作業をしており、急性疾患で亡くなった。子どもたちは孫を連れてお墓参りに来る。来年は十三回忌だという。