のどかな風景が広がる大分県の旧大田村(杵築市)では日本の原風景をめぐるツアーが行われ、外国人観光客に大人気となっている。イギリス出身で日本に関心を持ち旧大田村に移住したポール・クリスティさんが企画したツアーで、5日間で20kmととにかく歩く。ポールさんはこれまでも「知られざる日本」をテーマにしたツアーを企画し続けてきた。なぜ目立った観光資源のない地域を歩くだけで富裕層観光客が喜ぶのか。理由の1つに地元農家・えっちゃんの存在がある。ツアーの一環でえっちゃんのお宅も訪問するが、えっちゃんの飾らない人柄がツアー客の心を掴んで離さない。ポールさんは大分と東京に拠点を置き、今では若者中心に100人以上のスタッフを束ねるようになった。スタッフの中には海外から就職した人もいる。Uターンしてくる人も増え、地元の雇用の受け皿にもなっている。富裕層向けのツアーが地元にお金を落とし、それが雇用を増やす、「いい循環」が生まれ始めている。