去年10月に診療を休止した東京・吉祥寺の病院は駅の近くにあり、年間約2000件の救急搬送を受け入れていた。休診の理由は建物の老朽化で、建て替えを検討するも建築費高騰などで踏み切れなかったという。運営を引き継ぐ法人は見つかったものの、診療再開には少なくとも3年程度かかるとのこと。日本の多くの病院が戦後から昭和後期にかけて建てられていて、それらが法定耐用年数を超える築40年以上となっている。年数をすぎても使えるものの、多くの病院が建て替えについて頭を悩ませている。背景にあるのが建築費の高騰で、10年余で2倍以上となっている。こうした中、千葉県内の2つの市が市立病院の建て替えを巡り国に要望書を提出した。専門家は病院に対する財政的な支援も検討すべきとしたうえで、必要な医療機能について地域ごとの議論が欠かせないなどと指摘した。