ノルウェーのノーベル賞委員会は先ほど、今年のノーベル平和賞を日本全国の被爆者らで作る日本原水爆被害者団体協議会に授与すると発表した。被団協は1956年に結成された被爆者の全国組織。被爆者への支援を行うとともに、核兵器廃絶を旗印に日本を含む各国政府や、国連への要請行動、国際会議の開催、そして被爆の実態を紹介する活動などを行ってきた。ノーベル賞委員会は被団協について「広島と長崎の被爆者によるこの草の根運動は核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使用されてはならないことを目撃証言を通じて示した」と評価した。ノーベル平和賞に日本の個人や団体が選ばれたのは1974年、佐藤栄作元総理以来50年ぶり。核兵器を巡っては2016年、当時のオバマ大統領が米国の現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問した。2017年のノーベル平和賞に、核兵器を廃絶する条約の制定に力を尽くしてきた核兵器廃絶国際キャンペーン・ICANが選出されるなど、核兵器を巡る問題が改めて世界的に注目されている。