この春から国は保育士1人当たりの子どもの数を示す配置基準を見直した。4、5歳児については実に76年ぶりのことになる。保育所というと人手不足や処遇の問題がずっと言われてきている。東京八王子市の桑園保育園の4歳児クラスでこの日行われていたのは体操。23人の子どもたちを見守る保育士は3人。国の基準では1人の保育士で見る人数のため手厚い体制となっていた。ただ、それを可能にしていたのは9人の非常勤の保育士たち。今回の基準の見直しなどで人件費がおよそ80万円加算され9人のうちの2人を常勤の保育士に切り替えることができた。その1人、塩澤来実先生はこの春、パートから常勤の雇用に変わった。年間で40万円ほど収入が増え安定した。園にとっても常勤の保育士が増えることで安定したシフト勤務が組めるようになり保育の質が上げられると歓迎している。ただ全国を見るとこうした保育所ばかりではないよう。保育関連企業が、ことし1月に実施した調査によると回答を寄せた全国およそ600の認可保育所などのうち新基準への対応の見通しが立たないと回答した施設がおよそ2割あったことが分かった。自由記述では基準見直しは賛成だが不十分とか保育士不足の現状で、どう確保し保育の質を維持するかが課題、人材確保と賃金向上へのてこ入れをなどという声が寄せられている。基準が見直されても何も変わらないと訴える保育士に話を聞くことができた。中部地方のある公立保育園の保育士はこの春になってもみずからが働く園で配置の改善はなかった。組合を通じて自治体に見通しを尋ねたところ新基準に向けて前向きに検討するとは言いつつも経過措置を理由に実施の時期も示されなかった。常勤になって安心して働けるようになったという先生の声もあって、基準の見直しによって働き方が改善された保育園も見られましたけれどもやっぱり全体で見るとまだまだこれからというのが実情だ。国の基準が変わってもスピード感をもって対応できない自治体もある。基準どおりの配置にするためには保育士不足の解消の取り組み、賃金アップだったり処遇改善をさらに進める必要があると思うがまだまだ改革の途上だ。
住所: 東京都八王子市小門町7-18
URL: http://soto.hoikuen.to/
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