日銀は追加の利上げを決めたことし7月の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。歴史的な円安水準となる中、出席した委員から物価の上振れリスクを懸念する意見が相次ぎ、こうしたリスクを踏まえて利上げに踏み切ったことが分かった。日銀はことし7月の金融政策決定会合で政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決めた。この月の中旬にかけては歴史的な円安水準になっていたが、きょう公表された議事要旨では委員の間で過去と比べると為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があるという認識を共有し、物価の上振れリスクを懸念する声が相次いでいたことが分かった。そのうえで複数の委員から物価の上振れリスクについて政策判断においてより重要な判断要素になるなどという認識が示され、賛成多数で追加の利上げを決めた。一方、日銀の植田総裁はこのところ、米国経済の先行きが不確実だと指摘し今後の利上げを慎重に検討する考えを示しているが、7月の会合では委員の間で米国経済のリスクを指摘する意見は少なく、その後、日銀として懸念を強めたことがうかがえる。