ことし、歌舞伎俳優の尾上菊之助が大名跡の八代目尾上菊五郎を、そして長男の丑之助が六代目菊之助を襲名する。2人にとって特別なこの年にかける思いを聞いてきた。菊之助と丑之助親子はともに巳年の年男。八代目尾上菊五郎を襲名する尾上菊之助、47歳。名門、音羽屋の後継者として人気実力ともに歌舞伎界をけん引する1人。得意とする役は粋な二枚目から美しい女性の役と幅広い。父親は人間国宝の七代目尾上菊五郎。襲名会見では今と同じ菊五郎を名乗り続けると発表。菊之助が八代目を襲名後は2人の菊五郎が存在する異例の事態になる。菊之助はこれまで人気アニメなどをもとにした新作歌舞伎にも定評がある。また令和の菊五郎はSNSの発信にも積極的だ。インスタグラムには親子で出かける様子がたびたび紹介されている。一方、息子の丑之助の初舞台は5歳。祖父は七代目尾上菊五郎と二代目中村吉右衛門というサラブレッド。11歳で父の現在の名前である菊之助を襲名することについて「名前を小さくというか汚したりしないようにしてもっと大きくしていきたいと思う」と語っていた。5月、6月の歌舞伎座から1年間にわたり行われる襲名披露興行では連獅子など歌舞伎でも屈指の人気演目に親子で挑む。道成寺の舞踊にも2人で挑むほかお家芸の弁天小僧もそれぞれが披露する。最後に襲名に向け父・菊之助は「岳父・中村吉右衛門が大事にしていた演目を選定させていただきたい」息子・丑之助は「父と手を繋いで同じ方向を進んでいく。いい襲名興行ができるといいと思う」とそれぞれ抱負を語った。