1年2ヶ月後に行われるミラノコルティナダンペッツォオリンピックのプレシーズンとなる今シーズン、グランプリシリーズの上位選手が争うファイナルがフランスで5日から行われる。女子シングルに出場する一人が樋口新葉。前回の北京大会の後一度は離れたリンクに戻り、世界のトップが集まる舞台に立つ。23歳の樋口は今シーズン、安定感のある滑りでシリーズ初戦で初優勝。自身の2戦目でも2位に入り7年ぶりのファイナル進出を決めた。10代から世界の舞台で活躍してきた樋口。オリンピック初出場だった北京大会の団体で銀メダルを獲得した。しかし、大会後に分かった右足の疲労骨折をきっかけにモチベーションが低下。リンクに通えない状態が3ヶ月ほど続いていた。岡島功治コーチがフィギュアスケートへの思いをよみがえらせてくれた。40以上年の離れた樋口選手の指導を4歳の頃から20年近く続けている。復帰後の不安も岡島コーチは優しく受け止め、前向きな言葉をかけてくれる。長年の信頼関係でつながる2人の心と心。それが大舞台のファイナルを前にしても樋口が自然体でいられる原動力。