オーストラリア西部、ニンガルーリーフでは温暖化で海水温が上昇しサンゴが死滅する白化が起きていた。同じ現象が世界各地で起きており、温暖化が進めばサンゴの7~9割が消滅するという予測もある。サンゴの消滅は海の生態系を崩壊させ、生物の大量絶滅を招くおそれがある。温暖化からサンゴを守ろうと挑む科学者のケイト・クィグレー氏は、対策のカギとして熱に強いサンゴを人工的に増やせないかと考えた。生き物の性質を人工的に変化させる方法は世界中で研究が競われている。効率的なのは遺伝子の情報を操作できる技術を使うことだが、人為的に生み出した生き物を自然界に戻すと生態系の破壊につながるおそれも指摘されている。クィグレー氏は未来にリスクを残さずサンゴを消滅から守るという課題を設定し、熱に強いサンゴを計画的にほかのサンゴと交配させようと考えた。時間をかけて次第に熱に強いサンゴの種類を増やしていく計画。大川内氏は既存の技術を再活用する意味の「枯れた技術の水平思考」という言葉を挙げ「競争を過当に行いためには重要」などとコメント。100年前に発明されたハーバー・ボッシュ法はクリーンエネルギー分野で注目されている。化学肥料を作り出す際に生み出されるアンモニアは燃やしても二酸化炭素を出さないエネルギーとしても使うことができる。