人口減少などを背景に全国で交番や駐在所の統廃合が進められている。廃止された地域に奈良県警察本部が去年から導入したのが動く交番。現在は2台がいくつもの地域を移動して交番を展開する。交番や駐在所は人口減少やコスト削減などを背景に、全国的に統廃合が進んでいる。奈良県内でも令和3年からおよそ5年かけて、170余りから2割ほど削減する計画。大和郡山市にある横田町。今年3月、地区にあった駐在所は廃止、北に3キロほど離れた交番に統合された。このため動く交番が今年から巡回している。しかし、開始から1年がたち深刻な課題が見えてきた。地域住民がほとんど立ち寄らない。認知度が低い原因の一つに滞在時間が限られていることがある。何とか動く交番の存在を知ってもらおうと、自ら住民のもとへ。家のポストに動く交番が来たことを記したメモを投函する。出会う人にもその都度話しかけ、信頼関係の構築を目指す。夕方には下校中の子どもを見守る。導入から1年余り、防犯活動に欠かせない地域住民との関係づくりはまだ手探り。動く交番が地域で活動する時間を確保するために、奈良県警察本部は今後台数を増やしていくという。