会談が行われたパリから松田智樹記者の解説。EU側は貿易の問題について製品が過剰に生産され、輸出されているなどとして中国側に対応を迫ったということだが、これにどう応じたのだろうか。習主席は「中国の過剰生産という問題は存在しない」と述べ、EU側の批判に強く反論した。過剰生産の問題では、安易に妥協しない姿勢を示したが、両者の溝がはっきりと露呈した。ただ、マクロン大統領との会談では人工知能やクリーンエネルギーなどの分野で協力の推進を確認したとしている。厳しい姿勢を示す一方、前向きなメッセージも伝え、硬軟織り交ぜた対応を見せた形。習主席のフランス訪問で中国は成果を得られたのだろうか。両国の友好を演出し、独自外交を重視するフランスを一定程度引き付けることはできたとはいえる。ただ、貿易の問題で溝も残り、中国を抑え込もうとする米国に対抗するだけの関係構築にはまだ時間がかかるという印象。習主席は今回マクロン大統領を去年に続いて中国に招待したことを明らかにした。中国としてはフランスを含むヨーロッパ各国への働きかけを続けていく構え。