旧ソビエトのモルドバについて。今月28日に議会選挙が行われる。東はロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ、西はEU(ヨーロッパ連合)に加盟するルーマニアに接している。選挙戦の注目はEUに加盟していないモルドバがEU加盟を目指す現在の路線を継続するのか、ロシアの影響力が強まる状況になるのか。モルドバには親ロシア派の地域があり、ロシアが軍の部隊を駐留させて影響力を行使している。モルドバ議会の定数は101議席。現在はEUへの加盟を目指すサンドゥ大統領の与党が61議席と過半数を占めている。先月の独立記念日にはフランスやドイツの首脳も駆けつけ、モルドバのEU加盟を後押しする姿勢を協調した。野党側の集会ではロシアに近い政党の党首がロシア語で呼びかける。野党側は、与党はロシアの協議を煽るだけで“経済政策は失敗している”と批判を強めている。有権者の間で意見は分かれている。町中で激しい口論になることもしばしば。投票日が近付く中、政権与党が警戒を強めているのが“ロシアによる選挙介入”。警察は去年の大統領選挙ではロシアの銀行から日本円にして約59億円が送金され、有権者の買収に使われたとみている。今週、選挙介入の容疑で250か所を捜索。74人を拘束した。犯罪組織を通じたロシアの関与が疑われるとしている。警察のトップは“今回の選挙でもロシアが巨額の資金を投じて有権者を買収している”と主張。“関与が特定されないよう、資金は暗号資産などで犯罪組織に送られている”として手口が巧妙になっていると指摘する。モルドバ警察のトップ・ビオレル・チェルナウーツァヌ氏が「TikTokなどによってAIも利用した膨大な量の偽情報が拡散している」と話した。ファクトチェックを行う民間団体もロシア側が“偽情報を拡散している”と警鐘を鳴らしている。特にネット状に溢れているのは、ヨーロッパやロシアによるウクライナ侵攻を巡る偽情報だという。団体はSNSなどを監視し、有権者が正確な情報を得られるよう発信している。団体の幹部は偽情報が洪水のように押し寄せることで、“有権者が情報が正確がどうか確かめなくなる恐れがある”と指摘する。ロシア側は一連の選挙介入の疑惑について否定している。モルドバの政府系機関は“さまざまな組織が協力して対応する必要がある”と訴えている。
