- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
中国の秋を代表する食材、上海ガニ。産地の一つ、江蘇省の湖で出荷が始まった。一部は日本にも輸出されるという。
オープニング映像。
「パレスチナアッバス議長訴え」などのラインナップを伝えた。
25日に行われた国連総会の一般討論演説。パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長の演説が始まったが、壇上にその姿はない。アメリカのトランプ政権がパレスチナの当局者にビザを発給しなかったため、異例のビデオ演説となった。演説では6万5000人以上の死者が出ているガザ地区について一刻も早い停戦の実現を訴えるとともに、イスラエルを強く非難した。今回の国連総会に合わせてはフランスやイギリスなど各国が相次いでパレスチナを国家として承認。その一方で一部の国はイスラム組織ハマスが関与しない形での選挙の実施などを求めている。アッバス議長は国家承認に謝意を示した上で、ハマスが行った奇襲攻撃を非難。選挙の実施にも言及した。
パレスチナを国家として承認する動きが広がる中、イスラエルでは極右の閣僚などがパレスチナ人が多く暮らすヨルダン川西岸の“大部分を併合すべき”だと主張している。パレスチナ側は「パレスチナ国家の実現に対する直接的な脅威」だと非難していて、国連総会に合わせてトランプ大統領と会談したアラブ諸国の首脳からもイスラエルによる併合を危惧する声があがったという。トランプ大統領が「イスラエルがヨルダン川西岸を併合することは認めない」などと述べた。トランプ政権は“ガザ地区での停戦や統治に関する計画をアラブ諸国などに示した”と伝えられていて、今回の発言にはアラブ諸国との関係悪化を避け、協力をとりつけたい思惑もあるとみられる。
終わりの見えないガザでの戦闘。戦闘の開始からまもなく2年が経つのを前にBBCやロイター通信、AP通信などが共同である映像を公開した。イスラエルはガザ地区への外国メディアの立ち入りを禁止している。国連の調べでは、イスラエル軍の攻撃で死亡したパレスチナ人ジャーナリストの数は少なくとも248人にのぼっている。
ニューヨークで行われている国連総会には、中国からは李強首相が出席している。中国の首相が国連総会に参加するのは2016年以来、9年ぶり。現地では連日国際重視の姿勢を示し、国連を批判するトランプ大統領との違いをアピールしている。今月22日からニューヨークを訪れている李強首相。到着翌日に中国主催の会合を開き、アメリカが対外援助の大幅な削減を打ち出す中、今後5年間で途上国の発展を支援するため2,000件のプロジェクトを実施すると明らかにした。その翌日には気候変動対策でも動きを見せた。習近平国家主席は「気候サミット」でビデオ演説を行い、“気候変動は詐欺だ”と否定するトランプ大統領を念頭に「一部の国が逆行する動きを見せているが、国際社会は正しい方向性を堅持すべきだ」と協調した。中国として温室効果ガスの排出量を2035年までにピーク時と比べて7~10%削減するあらたな目標を打ち出した。こうした国連外交の背景にあるのが、新興国や途上国など“グローバルサウスの国々と結束を強めたい”中国の思惑。今月、中国が主催した上海協力機構の首脳会議で習主席は新たに「グローバルガバナンス・イニシアチブ」という考え方を提唱。この中では“グローバルサウスの国々の意見をより反映させ、現在の国際秩序の「不公平」な状況を是正すべき”だと主張している。李首相は国連のグテーレス事務総長との会談でこの考えに言及して、“連携強化への意欲”を示した。事務総長からは、中国からの支援に感謝の意が伝えられた。中国人民大学・王義桅教授が「中国は平等を外交の重要課題として推進し、グローバルサウス諸国の現代化を支援していく」などと述べた。
現地で取材にあたっている中国総局の為井貴規に聞く。今回の中国の外交について、「トランプ政権が国連を軽視する現状を逆手に取る形で中国こそが国連の擁護者だというナラティブ、中国の物語を広めたい狙いがあると思います」と話した。国連では1時間後に李強首相が演説する予定で、グローバルサウスの国々の取り込みも念頭に、こうした主張を展開するとみられる。中国は今月行った軍事パレードでウクライナ侵攻を続けるロシアや、これを支援する北朝鮮との結束を示し、西側諸国に衝撃を与えた。焦点は約1か月後の習主席とトランプ大統領の対面での首脳会談。韓国で行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に合わせて予定されていて、実現すれば2期目のトランプ政権では初の顔合わせとなる。これを前に、懸案の一つだった中国系の動画共有アプリ「TikTok」については25日、トランプ大統領がアメリカ国内での事業継続に向けた大統領令に署名した。
ノーベル賞のパロディとしてユニークな研究に贈られるイグ・ノーベル賞。先週は日本の研究グループが生物学賞を受賞している。寄せられた声を紹介。「科学立国をうたいながら、むしろ実現からは遠ざかっているこの国にはこの『ユーモア』こそ必要とされている」など。ignoble=不名誉な 恥ずべき。“人々を笑わせ 考えさせる”というのをコンセプトに1991年に創設された。立ち上げたのはマーク・エイブラハムズ。去年、NHKの取材に「肝心なのは世界中の誰もがその話を聞いた瞬間に笑いだすことです」などと話している。選考の対象になる研究は世界中から日々寄せられる推薦の中から選ばれる。今では年間約1万件もの推薦が届くという。日本はイグ・ノーベル賞の常連でもある。日本の研究者の受賞は19年連続。田辺幹夫記者が「もともとの研究論文に目を通してみたら結構真面目な研究なんですね」などと話した。過去にはイグ・ノーベル賞を受賞した研究者らが後にノーベル賞を受賞したケースもある。イグ・ノーベル賞のもう一つの特徴は、ユニークな発表方法。今年の授賞式の映像を紹介。シマウマが体のしま模様によって血を吸うハエからの攻撃を防いでいるとする研究結果に注目した。しま模様を描いた牛は何も描かない牛に比べて足や胴体に付いたハエの数が半分以上減ったという。田辺記者が「今の科学に対する一般の人の理解を広げる大切な役割を果たしていると思う」などと話した。番組では来月、世界的な科学雑誌「サイエンス」を発行するアメリカの団体のトップに直接話を聞く予定。
NASA(アメリカ航空宇宙局)が主導する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」。4人は早ければ来年2月にも月を周回する10日間のミッションに挑む。今回月面着陸はしないが、人類はアポロ計画以来、約半世紀ぶりに最も月に接近することになる。
アメリカ・メーン州で起きた5時間にもわたる救出劇。オスのヘラジカが古井戸に落ちてしまい、野生動物の専門家チームが睡眠薬で眠らせロープを使って慎重に引き上げた。意識を取り戻したヘラジカは何事もなかったかのようにさっさと起き上がり、去っていった。
フランス南部・ニースで開催されているのは、おもちゃのブロックを使った展示会。街の歴史や観光名所をブロックで表現している。展示会は11月末まで。
アメリカ・カンザス州の野生動物公園のアイドル、コビトカバの赤ちゃん・マーズ。ママの子育てを飼育係がお手伝い。園長が「母親は“目力”でマーズに言うことを聞かせます。その姿を見るのは楽しいです」とコメントした。動画がネット上で大人気となっている。
2015年の核合意を受けて解除されていた国連によるイランへの制裁の再開が28日に迫っている。制裁解除のあとイランが合意に違反したとするイギリス、フランス、ドイツは制裁の再開に向けた手続きを進めていて、これを回避したいイランとの間で土壇場の交渉が続けられている。国連総会に合わせてニューヨークを訪れているイラン・ペゼシュキアン大統領は、制裁の回避に向け交渉にあたっている。24日にペゼシュキアン大統領と会談したフランス・マクロン大統領はSNSへの投稿で“合意の可能性は残っている”と述べ、IAEA(国際原子力機関)による査察の全面的な受け入れを再開させ、アメリカとの直接協議などに応じるようイランに改めて求めた。アメリカ・ウィトコフ中東担当特使は「恒久的な解決策を実現し、イランと制裁の再開をめぐり交渉する気持ちをもっている」と述べ、イランとの直接協議の可能性をにじませた。
厳しい制裁が再開されるかもしれない事態にイランの市民はどう受け止めているのか、テヘラン支局長・川島進之介に聞いた。川島が「イラン政府としてこれ以上譲歩することは難しいというのが現状だと思います」などとコメントした。
旧ソビエトのモルドバについて。今月28日に議会選挙が行われる。東はロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ、西はEU(ヨーロッパ連合)に加盟するルーマニアに接している。選挙戦の注目はEUに加盟していないモルドバがEU加盟を目指す現在の路線を継続するのか、ロシアの影響力が強まる状況になるのか。モルドバには親ロシア派の地域があり、ロシアが軍の部隊を駐留させて影響力を行使している。モルドバ議会の定数は101議席。現在はEUへの加盟を目指すサンドゥ大統領の与党が61議席と過半数を占めている。先月の独立記念日にはフランスやドイツの首脳も駆けつけ、モルドバのEU加盟を後押しする姿勢を協調した。野党側の集会ではロシアに近い政党の党首がロシア語で呼びかける。野党側は、与党はロシアの協議を煽るだけで“経済政策は失敗している”と批判を強めている。有権者の間で意見は分かれている。町中で激しい口論になることもしばしば。投票日が近付く中、政権与党が警戒を強めているのが“ロシアによる選挙介入”。警察は去年の大統領選挙ではロシアの銀行から日本円にして約59億円が送金され、有権者の買収に使われたとみている。今週、選挙介入の容疑で250か所を捜索。74人を拘束した。犯罪組織を通じたロシアの関与が疑われるとしている。警察のトップは“今回の選挙でもロシアが巨額の資金を投じて有権者を買収している”と主張。“関与が特定されないよう、資金は暗号資産などで犯罪組織に送られている”として手口が巧妙になっていると指摘する。モルドバ警察のトップ・ビオレル・チェルナウーツァヌ氏が「TikTokなどによってAIも利用した膨大な量の偽情報が拡散している」と話した。ファクトチェックを行う民間団体もロシア側が“偽情報を拡散している”と警鐘を鳴らしている。特にネット状に溢れているのは、ヨーロッパやロシアによるウクライナ侵攻を巡る偽情報だという。団体はSNSなどを監視し、有権者が正確な情報を得られるよう発信している。団体の幹部は偽情報が洪水のように押し寄せることで、“有権者が情報が正確がどうか確かめなくなる恐れがある”と指摘する。ロシア側は一連の選挙介入の疑惑について否定している。モルドバの政府系機関は“さまざまな組織が協力して対応する必要がある”と訴えている。
モルドバ・キシナウより、ヨーロッパ総局の向井麻里記者が中継でレポート。選挙で与党が過半数を確保するかどうかは微妙な情勢という見方もあり、接戦が伝えられている。注目されているのが、仕事などで国外に移住した人たちの票の行方。人口約250万のモルドバで国外に住む人は100万人に上るとみられていて、専門家はEU寄りの立場が多いとされるこうした人々の投票が鍵を握ると指摘している。選挙の結果次第ではロシアの影響力が強まって、モルドバのEU加盟への道が不透明になる可能性もある。そうなれば隣国・ウクライナへの影響も避けられないとみられる。ヨーロッパが影響力を維持するのか、あるいはロシアが巻き返すのか、モルドバの今後はヨーロッパとロシアのせめぎ合いの場となっている。
先月日本でも配信が始まった、中国による台湾侵攻をテーマにした架空のドラマ「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」。台湾周辺の海上封鎖やサイバー攻撃など、いわゆる台湾有事を想定した事態が描かれている。ドラマには日本の俳優も出演し、周辺の海上が封鎖された台湾を舞台にテロやスパイ活動など次々に起きる危機に人々が直面する。ドラマへの高い関心の背景にあるのは、台湾への軍事的圧力を強める中国の動向。近年台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返し行っている。ドラマのプロデューサー・鄭心媚さんは、中国による軍事的圧力が強まる中で人々の意識に温度差があると感じ、危機感を抱いたことからドラマを制作したという。一方で敏感な問題を正面から扱ったドラマをめぐっては、批判の声もあるという。鄭さんはドラマのような事態が現実にならないようにするにはどうすればいいのか、この作品をきっかけに多くの人に考えてほしいと願っている。
ニューヨークの国連本部でイスラエルのネタニヤフ首相が演説し、「イランの核開発の脅威を取り除いた」と主張した。ネタニヤフ首相が登壇すると議場ではブーイングが沸き起こり、複数の国の代表団が席を立ち抗議の意思を示した。
イスラエル軍はガザ地区北部にある最大都市ガザ市など各地でイスラム組織ハマスに対する軍事作戦を進めていて、現地メディアは「軍が直近24時間でハマスの戦闘員や武器庫など170以上の標的を空爆した」と伝えた。パレスチナのメディアによると中部では25日に住民たちが安全を求めて身を寄せていた建物が爆撃され、11人が死亡したという。ガザ地区では24日にも住民の退避先の建物が爆撃されて9人の子どもを含む20人余が死亡したと伝えられていて、現地当局は「犯罪的な攻撃だ」と非難したうえで民間人の保護などに向けた国際社会の対応を求めた。