先月31日の午前5時ごろ、富士山9合目に常駐する山岳救助隊のもとに通報が入った。感染症の疑いがある遭難者からの救助要請だった。現場に到着すると手袋をつけマスクを装着。男性は前日に8合目の山小屋に到着後体調を崩し、頭痛や寒気、吐き気などの症状が現れたという。しかしこの日は富士宮ルートにはブルドーザーの稼働がなく、隣の御殿場ルートに物資を運搬するブルドーザーがあることがわかった。男性は富士宮ルートから御殿場ルートまで歩いて向かい、ブルドーザーで下山した。病院へ搬送された男性は、新型コロナ陽性と診断された。静岡県警山岳遭難救助隊の坂上雅信隊長は「山頂と命の二択だったら命を選択してほしい。天候や体調に不安を感じたら、勇気ある下山をお願いする」などと語った。
