2007年、「スペシャルドラマ 坂の上の雲」の撮影が始まった。明治という時代を蘇らせるための撮影が続く。3人の主人公は今の松山市の出身。本木雅弘さんが演じるのは秋山真之。2人目は兄・秋山好古。阿部寛さんが演じる。もう一人が正岡子規。演じるのは香川照之さん。正岡子規・秋山真之は共に武士の家に生まれ幼馴染。やんちゃだった秋山真之。だが秋山家の生活は苦しく学業もままならない。秋山真之は松山を出て、正岡子規と同じ学校に通い学び始めた。上京後もやんちゃぶりは変わらない。自分が本当にやりたいことはなにか、悩み抜いた秋山真之は海軍に入ることを決意する。軍人の道を歩み始め、変わりように故郷・松山の人々は驚く。でも性格はヤンチャなまま。
原作は司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」。新聞連載後、単行本となり1800万部が発行されている。秋山好古は一足先に状況し、陸軍大学校へ進んでいた。秋山真之と暮らし始めるも茶碗は1つだけ。陸軍の軍人として日清戦争を戦う秋山好古。激しい戦いの中に身を置きながら、たまたま出会った老人のみを案じる。スペシャルドラマ 坂の上の雲には明治を生きた女性たちも登場。母・秋山貞。演じるのは竹下景子さん。松たか子さんが演じるのは後に秋山好古の妻となる佐久間多美。秋山好古は上京後、佐久間多美の家に下宿していた。戦場では勇敢な人物として知られていたが結婚相手はなかなか見つからない。十数年後、東京で一緒に暮らすようになっていた母が見合いの席を設ける。原田美枝子さんが演じるのは正岡子規の母・正岡八重。病と戦いながら創作に情熱をもやす息子を励まし続ける。 正岡子規の妹・正岡律、演じるのは菅野美穂さん。正岡律は兄の親友・秋山真之とも心を通わせていた。
「スペシャルドラマ 坂の上の雲」には明治を生きた人物が大勢登場する。秋山真之の親友であった海軍士官・広瀬武夫。演じるのは藤本隆宏さん。撮影された9割がロケによるもの。国内のロケは22の都道府県に及んでいる。主人公3人の出身地・松山でも撮影を行った。松山城ではイメージカットを撮影。松山の観光名所である道後温泉でも撮影を行った。ドラマのテーマ曲を演奏するのはNHK交響楽団。作曲は久石譲。
2024年、本木雅弘さんを迎えたのはかつて共に作品を作り上げたスタッフたち。初回放送から15年。本木雅弘さんにとって「坂の上の雲」は時を経るほどに特別な感情が湧く記念碑的作品となった。